こんにちは。こだてすまいドットコム、運営者の「小館」です。
念願のマイホーム、一軒家への引っ越しはワクワクする反面、これから始まるご近所付き合いに少し不安を感じていませんか。特に最初の挨拶回りは、その後の生活を左右する大切なイベントです。どこまで挨拶に行けばいいのか、手土産の金額はいくらが失礼にならないか、留守のお宅にはどう対応するかなど、悩みは尽きませんよね。
この記事では、そんな皆様の疑問を解消し、気持ちよく新生活をスタートさせるためのポイントをわかりやすくお伝えします。
- 一軒家ならではの挨拶回りの必須範囲と優先順位
- 相手に気を遣わせない粗品の適正相場と人気アイテム
- 工事前から引っ越し当日までの理想的な訪問スケジュール
- 不在時やトラブルを避けるための具体的なマナーと対処法
これから一軒家に引っ越す予定の方、あるいは既に引っ越して挨拶回りに悩んでいる方に向けて、私の経験と独自のリサーチに基づいた「失敗しない挨拶の全技術」を余すところなく公開します。近隣トラブルを未然に防ぎ、安心して暮らせる環境を整えるための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
一軒家の引っ越し挨拶で粗品を渡す範囲や相場
一軒家の挨拶は、アパートやマンションとは少し勝手が違います。長く住むことになる場所だからこそ、最初の「範囲」と「相場」の見極めが肝心です。ここでは、一般的に推奨される挨拶の範囲と、相手に負担をかけないちょうどいい金額感についてお話しします。
挨拶はどこまで?向こう三軒両隣と裏の家

一軒家に引っ越す際、まず最初に直面するのが「どこまで挨拶に行けばいいのか?」という問題です。昔から「向こう三軒両隣」という言葉がありますが、現代の住宅事情において、この定義をそのまま適用するだけでは不十分なケースが増えています。特に、プライバシー意識の高まりや、複雑な街区割りが増えている今、挨拶の範囲を正しく設定することは、入居後のトラブル回避に直結する重要な戦略となります。
現代における「基本の8軒」とは
私が推奨する、一軒家における挨拶回りの基本範囲は、「両隣2軒+向かい3軒+裏3軒」の合計8軒です。それぞれの重要性と理由を詳しく見ていきましょう。
| 対象 | 重要度 | 理由とリスク要因 |
|---|---|---|
| 両隣(左右2軒) | 最重要 | 敷地境界線を共有しており、生活音、エアコン室外機の熱風、落ち葉、越境枝などの問題が最も発生しやすい関係です。 |
| 向かい(向こう3軒) | 重要 | 自宅の正面に位置し、車の出し入れや来客の路上駐車などで視覚的・物理的影響を与え合う関係にあります。視線が合うことも多い相手です。 |
| 裏の家(裏3軒) | 重要 | 現代において最も見落とされがちですが、トラブルの火種になりやすい相手です。換気扇の排気口や水回りの窓が面していることが多いためです。 |
なぜ「裏の家」への挨拶が重要なのか
多くの方が「両隣」と「向かい」には挨拶に行きますが、「裏の家」を忘れがちです。しかし、実は裏の家こそが最も挨拶をしておくべき相手と言っても過言ではありません。
日本の住宅設計では、リビングなどのメインの開口部を南側(道路側)に向け、北側(裏側)にキッチン、お風呂、トイレなどの水回りや、給湯器、エアコンの室外機などの「バックヤード機能」を配置することが一般的です。つまり、あなたの家の「生活の裏側(音やニオイ)」が、裏のお宅のリビングや庭に直撃する構造になりやすいのです。
「換気扇から焼肉のニオイが流れてくる」「深夜のお風呂の音がうるさい」「室外機の風が植木に当たっている」といった苦情は、裏の家から発生するケースが非常に多いです。だからこそ、入居前に「ご迷惑をおかけするかもしれません」と顔を見せて挨拶しておくことで、相手の心理的な許容度(我慢できるライン)を上げておくことが極めて有効なリスクマネジメントになります。
分譲地や私道共有の場合の応用
もしあなたが新しい分譲地に家を建てた場合や、私道(位置指定道路)を共有する袋小路のような場所に住む場合は、上記の「基本8軒」にこだわらず、「同じ区画の全世帯」や「私道を共有する全世帯」に挨拶することをおすすめします。
私道の補修や除雪、ゴミステーションの管理など、運命共同体として協力しなければならない場面が必ず訪れるからです。どこまで広げるか迷ったら、「生活道路ですれ違う頻度が高い人」や「ゴミ捨て場で顔を合わせる人」を基準に考えると良いでしょう。
近所付き合いの範囲や、トラブルになりやすいポイントについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

粗品の金額は500円から1000円が相場

次に悩むのが、挨拶に持参する「粗品(そしな)」の金額です。「安すぎるとケチだと思われないか」「高すぎると逆に引かれないか」と心配になりますよね。結論から言うと、一軒家の引っ越し挨拶における粗品の相場は、500円〜1,000円が鉄則です。
なぜ「500円〜1,000円」がベストなのか
この金額設定には、明確な心理的な理由があります。それは、「お返し(内祝い)の心配をさせない」ということです。
日本には「頂き物をしたらお返しをする」という贈答文化が根付いています。もしあなたが3,000円もする高級菓子折りを持って挨拶に行ったとしましょう。受け取った相手は「こんなに良いものを頂いたのだから、何かお返しをしないと失礼になるのでは…」とプレッシャーを感じてしまいます。これでは、良好な関係を築くための挨拶が、かえって相手にとっての「負担」や「面倒事」になってしまいます。
一方で、500円〜1,000円程度の消耗品であれば、「わざわざお返しをするほどでもないな」「ありがたく使わせてもらおう」と、気兼ねなく受け取ってもらえます。この「相手に気を遣わせない気遣い」こそが、引っ越し挨拶における最大のマナーなのです。
相手の立場によって予算を変える戦略
基本は500円〜1,000円ですが、相手の立場によっては少し予算をアップさせるのが大人の対応です。以下のように使い分けるとスマートです。
相手別予算の目安
- 近隣住民(一般):500円〜1,000円
最も一般的な価格帯。洗剤、タオル、お菓子などが選びやすい金額です。 - 自治会長・班長:1,000円〜2,000円
地域のお世話役として、今後いろいろと頼る場面が出てきます。「これからお世話になります」という敬意を込めて、少し質の良いお菓子などが適しています。 - 大家さん・地主さん:2,000円〜3,000円
借家の場合の大家さんや、土地を借りている場合の地主さんには、しっかりとした箱入りの菓子折りや高級タオルなどを持参するのが通例です。
安すぎる粗品は避けるべき?
逆に、予算を削りすぎて100円ショップの商品などを選ぶのは避けたほうが無難です。もちろん気持ちの問題ではありますが、一軒家は長く住む場所であり、最初の第一印象は非常に重要です。明らかに安価な品物は、「常識がない人」「間に合わせで済ませた」というネガティブな印象を与えかねません。
今はネット通販などで、500円程度でも見栄えの良い「引っ越し挨拶用ギフト」がたくさん販売されています。数百円の違いで第一印象が大きく変わるなら、そこは必要経費と割り切って、きちんとした品物を選ぶことをおすすめします。
挨拶で喜ばれる粗品のおすすめランキング

では、具体的にどのような品物が喜ばれるのでしょうか。粗品選びの大原則は、「消えもの(消耗品)」であり、かつ「誰がもらっても困らないもの」を選ぶことです。個人の趣味嗜好が強く反映されるインテリア小物や、好みが分かれる香りの強い雑貨などは避けるのが賢明です。
私が実際にリサーチし、多くのユーザーから支持を集めている「間違いのない粗品」をランキング形式で詳しく解説します。
| 順位 | カテゴリ | おすすめの理由と選定ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1位 | お菓子 | 最も無難で喜ばれる王道ギフトです。クッキーやサブレなどの「焼き菓子」がベスト。有名ブランド(ヨックモックや資生堂パーラーなど)なら安心感も抜群です。 | 賞味期限が短い生菓子や、切り分けが必要な羊羹などはNG。必ず「個包装」されていて、常温で日持ちするものを選びましょう。 |
| 2位 | 洗剤 | 家庭で必ず使う消耗品なので、実用性重視の方に好評です。最近は「フロッシュ」など、環境に優しくパッケージがおしゃれなものが人気です。 | 香りの強い柔軟剤や、粉末洗剤(今は液体派が多い)は好みが分かれるため避けましょう。「食器用洗剤」が無難です。 |
| 3位 | タオル | 「白」のフェイスタオルは清潔感があり、「新しいスタート」を象徴するアイテム。今治タオルなどの国産ブランドなら、500円〜800円でも高級感を演出できます。 | 色柄が派手なものや、キャラクターものは避けましょう。シンプルで上質な無地の白が一番喜ばれます。 |
| 4位 | 指定ゴミ袋 | 隠れたヒット商品。自治体指定の有料ゴミ袋は必ず使うため、「気が利いている」「一番助かる」という声多数。地域のルールを守る姿勢もアピールできます。 | 生活感が出すぎるため、のしを掛けた上からさらに可愛いラッピング袋に入れるなどの工夫が必要です。 |
時代と共に変化する「もらって嬉しいもの」
かつては洗剤セットが定番でしたが、最近は食洗機の普及や肌へのこだわりから、洗剤も好みが細分化しています。そのため、誰にでも合わせやすい「有名ブランドの焼き菓子」が、現代においては最も失敗の少ない選択肢と言えるでしょう。
また、コロナ禍を経て、衛生意識への高まりからハンドソープや除菌グッズも一時期人気でしたが、今は少し落ち着いています。やはり、食べたらなくなる、使ったらなくなる「消えもの」の王道を攻めるのが、老若男女問わず好印象を与える秘訣です。
購入場所のポイント
これらの粗品はどこで買うべきでしょうか?
- ネット通販(Amazon・楽天):「引っ越し挨拶ギフト」で検索すると、のし付き・包装済みのセットが安く手に入ります。時間がない方におすすめ。
- デパート・百貨店:自治会長や地主さん向け。包装紙のブランド力が信頼の証になります。
- 大型スーパー・ホームセンター:日用品や指定ゴミ袋を買うのに便利。サービスカウンターでのし掛け対応もしてくれます。
粗品につけるのしの書き方と外のしの理由

品物を選んだら、そのまま渡してはいけません。必ず「のし紙(熨斗紙)」を掛けるのがマナーです。ラッピングされただけの商品を渡すのと、のしが掛かった商品を渡すのとでは、相手に与える「きちんとしている感」が全く違います。
水引と表書きの基本ルール
引っ越し挨拶で使うのし紙には、明確な決まりがあります。間違った種類を選ぶと、大変失礼な意味になってしまうこともあるので注意が必要です。
- 水引(みずひき):紅白の蝶結び(花結び)
蝶結びは「何度あっても良いお祝い事」に使われます。引っ越しは新しい門出ですので、蝶結びを選びます。逆に「結び切り」(結婚や快気祝いなど、一度きりが良いもの)は絶対に使ってはいけません。 - 表書き(上段):「御挨拶」
最も一般的なのは「御挨拶」です。「粗品」でも間違いではありませんが、「御挨拶」の方がより丁寧で目的が明確に伝わります。退去時の挨拶なら「御礼」とします。 - 名入れ(下段):名字(姓のみ)
水引の下には、贈り主(あなた)の名字を書きます。これが自己紹介の代わりになります。読み方が難しい漢字や、読み間違いされやすい名字の場合は、横に小さくふりがなを振っておくと非常に親切で、名前を覚えてもらいやすくなります。
なぜ「外のし」にするべきなのか?
のし紙の掛け方には、包装紙の内側に掛ける「内のし」と、包装紙の外側に掛ける「外のし」の2種類があります。引っ越し挨拶においては、「外のし」を選ぶのが正解です。
理由は単純明快で、「一目で誰からの何の贈り物か分かるようにするため」です。内祝いなどの場合は、奥ゆかしさを表すために「内のし」にすることが多いですが、引っ越し挨拶は「名前と顔を覚えてもらうこと」が最大の目的です。渡した瞬間に「ああ、○○さんという方が挨拶に来たんだな」と認識してもらうために、名前が一番外側に見える状態にしておく必要があります。
ネット通販で注文する場合、デフォルトが「内のし」になっているショップもあるので、注文時の備考欄などで必ず「外のし希望」と指定するのを忘れないようにしましょう。
自治会長や班長への挨拶と粗品の渡し方

一軒家への引っ越しで、多くの方が頭を悩ませるのが「自治会(町内会)」との関わりです。「入らなきゃダメ?」「誰が会長かわからない」といった疑問を持つ方も多いでしょう。しかし、スムーズな地域生活をスタートさせるためには、引っ越し直後の自治会長または班長への挨拶は欠かせないプロセスです。
自治会長への挨拶が必要な理由
なぜ自治会長への挨拶が必要かというと、ゴミ出しのルールや地域の情報を把握するためです。マンションと違い、一軒家のゴミ集積所は、自治会や班単位で管理・清掃されていることがほとんどです。挨拶なしにいきなりゴミを出すと、「ルールを知らない新参者が勝手なことをしている」と見なされ、トラブルの原因になることがあります。
挨拶に行き、「新しく越してきました○○です。ゴミ出しの場所やルールについて教えていただけますか?」と聞くことで、「礼儀正しい人だ」という印象を与えつつ、必要な情報をスムーズに入手することができます。
会長・班長の探し方と訪問のマナー
引っ越し先の自治会長や班長が誰なのか分からない場合は、以下の方法で確認しましょう。
- 不動産会社やハウスメーカーに聞く:土地の売買や建築の際に、地域の情報を把握している場合があります。
- 両隣への挨拶時に聞く:これが最も確実です。「自治会長さんへご挨拶に伺いたいのですが、どちらにお住まいかご存知ですか?」と聞けば、自然な会話の流れで教えてもらえます。
訪問の際は、一般の近隣住民よりも少しグレードの高い粗品(1,000円〜2,000円程度の菓子折りなど)を持参するのが通例です。これは、今後回覧板の管理や地域行事などで、お世話になる機会が多いためです。
自治会加入は強制?任意?
法的には自治会への加入は「任意」です。しかし、ゴミ捨て場の利用権限と自治会加入がセットになっている地域(本来は行政の問題ですが、慣習として残っている地域)も少なくありません。
挨拶の段階で「入会は必須ですか?」「年会費はいくらですか?」「役員や掃除当番の頻度は?」といった実務的な質問をさりげなく行い、その場の雰囲気を見て判断することをおすすめします。
町内会に関するトラブルや対策については、以下の記事でさらに深掘りしています。加入を迷っている方はぜひ参考にしてください。

一軒家の引っ越し挨拶や粗品を渡す際のマナー
品物の準備ができたら、次はいよいよ訪問です。「いつ行くか」「何と言うか」「いなかったらどうするか」。この3つを押さえておけば、当日はスムーズに動けます。相手に失礼のない振る舞いをシミュレーションしておきましょう。
挨拶に行くタイミングは工事前と引越し当日

一軒家の場合、新築工事やリフォームを伴うことが多いですよね。その場合、挨拶は「2回」行うのが理想的です。
1回目:着工前の挨拶(最重要)
これから家を建てる、あるいは大規模なリフォームをする場合、工事が始まる前に挨拶に行くことが何よりも重要です。工事期間中は、騒音、振動、粉塵(ホコリ)、工事車両の出入りなど、近隣住民に多大な迷惑をかけることになります。
これらはトラブルの最大要因ですが、事前に施主(あなた)が顔を見せ、「工事でご迷惑をおかけします。申し訳ありません」と一言詫びておくだけで、ご近所さんの「騒音に対する許容値」は劇的に上がります。「あそこの〇〇さんの家の工事なら、少しくらいは仕方ないか」と思ってもらえるかどうかが、入居後の人間関係を決定づけます。
できれば施工業者の現場監督任せにせず、施主も同行して挨拶回りを行うのがベストです。地鎮祭の当日などに行うのが一般的です。
2回目:引っ越し前日〜当日
建物が完成し、いよいよ入居するタイミングでの挨拶です。可能であれば、引っ越し作業の前日に挨拶を済ませておくのがスマートです。
「明日、引っ越しのトラックが来て道を塞いでしまうかもしれません。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」と事前に伝えておけば、当日の作業で多少邪魔になっても、クレームになるリスクを減らせます。もし前日が難しければ、当日の作業開始前、あるいは作業が一段落した夕方に行いましょう。
遅くとも、引っ越し後1週間以内には済ませるべきです。どんなに忙しくても2週間以上空いてしまうと、「今さら?」と思われてしまい、挨拶のタイミングを完全に逸してしまいます。
訪問におすすめの時間帯
- 平日・土日共通:10:00〜17:00(冬場は日没まで)
- ベストタイム:土日の午後(13:00〜16:00頃)
土日の午前中はゆっくり寝ていたり、家事で忙しかったりする家庭も多いです。昼食後の落ち着いた時間帯が、最も在宅率が高く、かつ迷惑がられない時間帯です。逆に、食事時(12:00〜13:00、18:00〜20:00)や、早朝・夜間(20:00以降)は避けるのが最低限のマナーです。
そのまま使える挨拶の言葉と例文を紹介

いざインターホンを押すと緊張して言葉が出てこないものです。また、余計なことを喋りすぎてボロが出るのも避けたいところ。ここでは、状況に応じたシンプルな定型文(スクリプト)をご紹介します。これを暗記していけば大丈夫です。
基本の挨拶スクリプト(対面)
「はじめまして。この度、〇月〇日に隣(または向かい)の〇〇番地に越してまいりました、〇〇(名字)と申します。
引っ越しの作業では、トラックの出入りや騒音でご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
これから家族共々、どうぞよろしくお願いいたします。
こちら、心ばかりの品ですが、よろしければお使いください。」
子供やペットがいる場合の「魔法の一言」
もしあなたのご家庭に小さなお子さんやペットがいる場合、挨拶の時に必ず伝えておくべきことがあります。それは、「騒音の事前申告」です。
「実は小さい子供(犬)がおりまして、泣き声や足音などで騒がしくなることがあるかもしれません。できるだけご迷惑をおかけしないよう気をつけますが、もし何か気になることがございましたら、遠慮なくおっしゃってください。」
この一言があるだけで、相手は「事前に断りを入れてくれた礼儀正しい人」と認識し、多少の子供の足音や泣き声に対しても寛容になってくれます。これを言わずに騒音を出すと、「うるさい家だ」と即座に敵対視されてしまう可能性があります。これは一種の「リスクヘッジ(保険)」として、必ず伝えておきましょう。
相手が不在の時は手紙やドアノブ対応を

挨拶に行っても、相手が留守であることは日常茶飯事です。特に共働きの家庭が増えている現代では、土日でも会えないことがよくあります。そんな時の適切な対処法を知っておきましょう。
「3回ルール」で諦め時を見極める
不在だった場合、日時を変えて再訪問しますが、目安は「3回まで」としましょう。例えば、土曜の午後に不在なら、日曜の午前、平日の夕方、といった具合にパターンを変えて訪問します。
それでも会えない場合は、それ以上の訪問は控えましょう。あまりにしつこく訪問すると、「何か勧誘か?」「怖い」と警戒されてしまうリスクがあります。最近はモニター付きインターホンで確認して、知らない人には出ない「居留守」を使う方も多いため、3回行ってダメなら「直接会うのは諦める」のが正解です。
不在時の最終手段:手紙とドアノブ掛け
会えなかった場合は、挨拶の手紙(メッセージカード)を添えて、粗品を郵便受けに入れるか、ドアノブにかけておく対応に切り替えます。
不在時の手紙の例文
「ご近所の皆様へ
はじめまして。〇月〇日に〇〇(住所)へ引っ越してまいりました、〇〇と申します。
何度かご挨拶に伺いましたが、ご不在のようでしたので、お手紙にて失礼いたします。
引っ越し作業の際は、お騒がせしてしまい申し訳ございませんでした。
これからお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
(心ばかりですが、ご挨拶の品をドアノブにかけさせていただきました。よろしければお使いください。)」
この時の注意点として、食品をドアノブにかけるのは避けましょう。雨風にさらされたり、カラスや猫に荒らされたりする危険がありますし、衛生面を気にする方もいます。ドアノブ対応をする可能性がある場合は、最初からタオルや洗剤、ラップなどの日用品を選んでおくのが無難です。
贈ってはいけないタブーな品物とは
良かれと思って選んだものが、実は縁起が悪いとされるケースがあります。特に年配の方が多い地域では、伝統的なマナーを重視する方もいらっしゃるので、知らずに渡してしまうと「非常識」のレッテルを貼られかねません。
- ハンカチ:日本語で「手巾(てぎれ)」と表記されることから、「手切れ(縁を切る)」を連想させるとされ、贈り物には不向きです。特に白いハンカチは仏事(遺体の顔にかける布)を想起させるためタブー視されます。
- 日本茶:お茶は葬儀の香典返しに使われることが一般的であるため、「お祝い事」である引っ越し挨拶には不向きとされる伝統があります。最近はおしゃれなパッケージのものも増えていますが、あえて選ぶ必要はありません。
- 赤いもの:「火事」を連想させるため、新築祝いや引っ越し祝いでは避けるのが鉄則です。赤いパッケージのギフトなども避けたほうが無難でしょう。
- 履物・マット類:スリッパや玄関マットなどは「相手を踏みつける」という意味に通じるため、目上の方(年配の住人など)への贈り物としては失礼にあたるとされます。
「気にしすぎでは?」と思うかもしれませんが、挨拶の目的は「良好な関係構築」です。少しでもネガティブな連想をさせるリスクがあるものは排除し、誰もが気持ちよく受け取れる「王道(お菓子・洗剤・タオル)」を選ぶのが、賢い大人の選択です。
一軒家の引っ越し挨拶と粗品選びの重要性

たかが挨拶、たかが粗品と思うかもしれませんが、一軒家での暮らしにおいて、このプロセスの重要性は計り知れません。挨拶回りに要するコストは、粗品代を含めても5,000円〜10,000円程度。所要時間は数時間です。
しかし、このわずかな投資によって得られるリターンは、「困った時にお互い様と言える関係」「不審者情報の共有」「災害時の助け合い」といった、お金では買えない安心と安全です。逆に、ここを省略してしまい、「顔も知らない不気味な隣人」として生活を始めると、些細な音や行動がトラブルの火種となり、数千万円で購入したマイホームでの生活がストレスフルなものになりかねません。
「向こう三軒両隣+裏の家」への誠実な挨拶は、これからの長い一軒家ライフを快適にするための、最もコストパフォーマンスの高い「保険」と言えるでしょう。ぜひ、自信を持って笑顔で挨拶回りを行ってください。
※本記事の情報は一般的なマナーや相場に基づいています。地域の慣習や個別の事情により適切な対応は異なる場合がありますので、ご自身の判断で柔軟に対応してください。

